スペイン本国での いわゆるスペイン風オムレツの作り方をご紹介します!
基礎知識
スペイン風オムレツ(スパニッシュオムレツ)は、スペイン語では
トルティーリャ デ パタタス Tortilla de Patatas あるいは、
トルティーリャ エスパニョーラ Tortilla Española と言います。
このスペイン風オムレツ どんなものをイメージしますか?
色々具が入ったものを、思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実際、日本人のスペイン風オムレツレシピを見ると
パプリカ、ズッキーニ、ほうれん草、ベーコン、キノコ類などが
入ったレシピが多数紹介されています。
具だくさんだったり、カラフルだったりしますが、それはあくまでもアレンジです。
本場スペインでは、ジャガイモ・玉ねぎ・卵・塩だけの至ってシンプルなものなんです。
もっと言えば玉ねぎも無くてもいいのです。
超シンプルだからこそ、具の多さとかでごまかさない
素材の旨みを引き出した本当に美味しい一品となっているんです。
また本場スペインでは、伝統的には中までしっかり火の入ったものを良しとしてきました。
しかし近年は中が少しトロッとして柔らかいものも
好んで作られるようになってきました。
実際、昔ながらのお店では中までしっかり火の入ったもので、
洒落た感じのお店では中がトロッとしたものでした。
もちろんどちらのタイプも美味しかったですが、
個人的には柔らかい感じのものの方が好みです。
今回は本場スペインの、スペイン人にとってのトルティーリャ デ パタタス
(スペイン風オムレツ)の作り方をご紹介します。
スペイン料理と言って思い浮かべる代表的な料理の1つだから
ぜひ作ってみてね♪
レシピ
材料 直径20cmのフライパンの場合
- ジャガイモ 中4個(400g)
- 玉ねぎ 大1/2個(150g)
- 卵 8個
- 塩 9~10g
- オリーブオイル 必要量
これはあくまでも1つの目安です。
フライパンの大きさによって分量は変わるので、適当に調整してください。
作り方
下準備
卵:
ボウルに卵を割り入れ、下味程度の塩を加えて混ぜ合わせておく。
コショウを入れるのも良いです。
ジャガイモ・玉ねぎ:
皮をむき、ジャガイモは5mm位、玉ねぎは3mm位の感じでスライスする。
ジャガイモは大きいものなら半分にしてからスライスすると良い。
その方が後で調理しやすいです。
プロのコツですが、ジャガイモのカットの時に手前側と奥の側の厚みに
1mm位の差をつけると、油が良く回りやすくなります。
オムレツ作り
① フライパンにジャガイモ・玉ねぎ・塩・オリーブオイルを入れ、中火にかける
オリーブオイルの量は、ジャガイモ・玉ねぎが7割浸かるくらいで良いです。
全体をザッと混ぜ合わせ、塩を全体に行き渡らせる。
オリーブオイルがもったいないという方は、
ここでは安いサラダ油でも大丈夫です。
グツグツしてきたら、弱火にする。
均一に火が入るように、時々具材を混ぜたりひっくり返したりしながら火を入れていく。
~重要ポイント~
この時ジャガイモを揚げる感じではなく、
油で煮る感じというのが大事です!
そうすることによって、ジャガイモの甘み・旨みが引き出されます。
② ジャガイモが簡単に割れてくるようになったら火を止めて、ザルとボウルで油を切る。
それを最初の溶き卵に入れて、混ぜ合わせる
油を切りすぎない。ザッとで良い。
この混ぜ方が大事です
~重要ポイント~
木ベラでジャガイモを崩しながらよく混ぜ合わせ、卵とジャガイモを馴染ませていきます。
この時ジャガイモの余熱と崩れで卵にとろみがつき、一体感が出てきます。
イメージ的にはジャガイモの1/5位はよく潰し、残りは食感の為に1~2cm大の崩れた塊が残っている状態が良いです。
あくまでも混ぜ合わせる際のイメージなので、あまり生真面目にキチンとやろうとしないで下さい。
スペイン人はアバウトですから(笑)
③ フライパンにオリーブオイルを敷き中火にかけ、②を流し込み焼く
この段階では、オリーブオイルを使って下さい。
サラダ油やバターは使いません。
フライパンに流し込んだら、最初だけサッと混ぜ合わせる。
ゴムベラで縁を内側に織り込みながら、回りの形を整える。
④ 周りが固まってきたら、皿をかぶせフライパンをひっくり返しオムレツを皿に取り出す
それを皿を滑らせながらフライパンに戻し入れ、もう片面も焼く
ゴムベラで回りの形を整える。
この時、火にかける時間が長いと、
中までしっかり火の入った伝統的なものができます。
逆に短い時間で表面だけをサッと焼く感じにすると、
中が柔らかいスタイルのものになります。
好みに応じてやってください。
⑤ 火を止め、皿をかぶせ先程の要領を繰り返すことにより
キレイに焼き色のついた最初の表面を上にする
説明が長くなってしまいましたが、
実際に作るとそんなに面倒くさくないですよ♪
あとはカットして盛り付ける。
こんな感じはどう?
もちろん何も付けずに食べるのが、スペイン流だよ♪
ケチャップとかかけるのは、それだけで美味しい塩おむすびに
醤油をかけるようなものだよ(悲)
最後に
バルの定番であり、タパス(スペインの小皿一品料理)の大定番の
トルティーリャ デ パタタスを食べてみたくなりましたか?
シンプルだけどとっても美味しいです。
でも茹でたり、ソテーしたジャガイモを溶き卵に混ぜて焼いて
形だけスペイン風オムレツにしても、決して本場の味になりません。
それじゃただのジャガイモ入り卵焼きです。
なので作り方のポイントを押さえて作ってみてください。
そうすれば余計な具材もコンソメの素もいりません。
白ご飯だけの美味しさが分かる日本人なら、スペインのこのジャガイモと卵の
超シンプルな素材の美味しさも分かるはずです。
ぜひ本場スペインのトルティーリャ デ パタタス(トルティーリャ エスパニョーラ)を
ご自身のものにしてほしいです。
アスタ ルエゴ Hasta luego じゃあね